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山の花 バックナンバー 11



山で見かけた花から、「花のようなもの」まで載せています。
名前のわからない花もあります。もしご存じでしたらお教えください。
また、間違いなどありましたらご指摘いただけると幸いです。

2016.1.28から2016.10.16までの情報が保存してあります。

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れ以降のデータは「山の花 バックナンバー12」に掲載しています。




秋の花

湯ノ沢峠近くの草原で見かけた花たち。
10月の半ばだから花は見られないのではないかとあきらめていた。だが、それでもしぶとく生き残っている花たちに会うことができた。
ノハラアザミ(野原薊 写真左上)は2株。リンドウ(竜胆 写真右上)もこの個体しか見つけられなかった。ヤマハハコ(山母子 写真右下)は、株の数こそたくさんあったが、ほとんど枯れかけている状態(プチ・ドライフラワー状)のものばかり。そんな中で、ほとんどあきらめていたマツムシソウ(松虫草 写真左下)が、休憩をとっていた露岩の陰に数株、登山道脇に1株見られたのが幸運だった。
(16.10.16)








利尻・礼文

福島県から札幌に移住した友人が言っていた。「吾妻山や安達太良山に登らなければ見られない花が、ここではその辺に生えている。」 緯度の違いという理屈はわかっても、不可解な感じは否めない。
北の最果ての島、利尻・礼文に渡った。ここでは、海を望む丘の上に高山植物が当たり前のように生えている。季節は夏の終わりに近かったが、それでもたくさんの花々に出会えた。
上から、イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)・リシリブシ(利尻付子)・ツリガネニンジン(釣鐘人参)・ハクサンフウロ(白山風露)
山で見かけた花ではないが、高山植物ということでご勘弁願おう。
(16.8.22-23)





フジベニウツギ(富士紅空木)

石割山山頂はもとより、途中の登山道にもたくさん咲いていた。
登山道のものは花房が落下していて、それを見て花が咲いているのを見つけるという感じだった。山頂付近の花もやや盛りを過ぎているふようだったが、それでも下の花と比べるとまだ勢いがあった。
フジベニウツギの名は調べてみて初めて知った。富士山の周辺に育つ種らしい。
(16.6.3)









春の山

1月に宝登山の蝋梅、3月に石砂山のギフチョウ、4月に棒ノ折山のヤマザクラ、そして、5月にここ伊豆ケ岳のヤマツツジというのがここ数年の恒例になっている。ただ、昨年はどういう加減だったか伊豆ケ岳には来なかった。
昨日の晩、ネットで5月6日にヤマツツジが咲き始めたという記事を見て、急遽思い立って出かけてきた。あれから1週間、ここ数日気温は高い。すでに満開になっていても不思議ではない。
早朝に出てきたために、7時ちょい過ぎには登り口に到着していた。気温はまだ低い。奥武蔵の山でも日中になれば気温が上がる。この時間なら汗をかくこともなく登れる。
それでも先行者はいた。山頂でも登山者を見かけた。だがあまりヤマツツジに気を取られることもなく下山していく。山にはいろいろな思いをもって望むのが常だから、花に全く関心を持たないこともあり得る。だが、こちらはヤマツツジがひとつの目的だったために、なにかもの足りない思いが残る。
山頂のヤマツツジ(写真上)は俯瞰する形で眺めるから見事なのであって、下から仰ぎ見たのではそれほどの感慨はわかないのかもしれない、などとヤマツツジの弁護にあい務める。人の思いとはには関わりなく、カラスアゲハが蜜を採取していた(写真中)。
男坂最上部の岩場からはヤマフジ(山藤 写真下 左上)やアオダモ(※「ダモ」の漢字が出ません 同右下)が、登山道ではニョイスミレ(如意菫 同右上)やフモトスミレ(麓菫 同左下)が見られた。
(16.5.13)







ぼくのマドンナ

今年もまた会うことがてきた。年に一回だから「マドンナ」と言うよりは「織姫」に近いのかもしれない。でも、イメージとしては、やはり「マドンナ」だ。
今年は暖冬だったので、いつもよりは早いだろうと予測はしていた。それでも野暮用にかまけたり、天候の具合で先送りにしていた。長期予報では、この日を除いてはお日様マークがついていない。後は雲と傘マークだ。選んではいられない。山の天気だからあてにはできないが、早速出かけてみることにした。
この時季、このコースはスミレの種類が豊富なことは知っていた。種類も、それぞれが花開く箇所もだだい決まっている。
お馴染みのタチツボスミレ(立坪菫 写真下左上、以下時計回り。)・エイザンスミレ(叡山菫)・アケボノスミレ(曙菫)・フモトスミレ(麓菫)などがあった。タチツボはいたるところで、エイザンとフモトは杉林の日当たりの良い所で、アケボノは棒ノ折山の山腹で見られた。これも例年通りだ。
予想外だった事態が起きたのは黒山と権次入峠の間だった。カメラのバッテリーが切れた。バッテリーが切れることはよくある。そんな時のためにいつも予備のバッテリーを用意している。ザックの中を探るとバッテリーはあった。しかし、いつものではない。いや、いつものではあるのだが、このカメラのではない。つい最近カメラを購入したばかりで、持ってきたバッテリーはそれまで使っていたタイプのカメラのものだ。
山頂の桜はまだカメラには収めていない。そもそも咲いているのか、すでに散ってしまっているのかすら分からない。それにしたってカメラがなければ画像を記録することすらできない。カメラの種類に応じてバッテリーの形状が異なることを、この時ほど悔しく思ったことはない。
とりあえず携帯のカメラで間に合わせることにして山頂に向かった。もともと重たい足が、更に重い足取りになった。
桜は満開だった。こんな時ほど期待は見事にかなうものだ。ただひとつ残念だったのが、山頂は霧に巻かれていたことぐらいか。でも、それはそれで味わいがあるいい写真が撮れそうだ。バッテリーが切れたことが恨めしい。
ふとここで頭にひらめいたことがある。冬にバッテリー切れになった場合、温めれば復活することがある。げんにラジオでその効果を試したこともある。それにバッテリーを休ませることで寿命が回復することもあるともあるらしい。ものは試しだ、取り出したバッテリーを体温で充分に温め、再びカメラに装着して、祈る気持ちで電源を入れる。
レンズがスルスルと伸びる。やった! なんとか復活した。まずは念願の一枚、満開の桜にレンズを向ける。カメラの気が変わらないうちにシャッターを押す。カシャッという機械音(デジタルだから合成音だが……)がして保存されたようだ。……だがそれまでだった。「バッテリーを充電してください」とのメッセージが出た後は、非情にもレンズは元の鞘に収まり、ウントもスントも言わない。再びバッテリーを外し、温め、休めても後は同じ。もうどうにもならない。
こうして手に入れることができた唯一のマドンナの写真が上の一枚。そんなわけで、すみれの写真にも携帯の写真(日付入り)が混じっている。小さいとそれなりに見られるが、画素数が荒いので、拡大するとひどい状態になる。
(16.4.23)



花の里

陣馬形山に向かう途上で出会った光景。
百々目木川(どどめきがわ)沿いを遡るようにして進むと、突然目の前に日が差し込んだかのように、華やかになった。何台かの車も停車している。カメラを構えた人が何人もいる。
そのまま通り過ぎることはできず、急停止。路肩に車を寄せる。他の人にならってシャッターを押すことしばし。
なんという風景か。赤や白やピンクの花々で彩られた桃源郷のような世界。一瞬、おとぎの国に来てしまったかのような錯覚に陥りそうになる。花の種類はなんであったか、その時は考えもせず、調べようともしなかった。そんなことは吹き飛んでいた。
多数の人が来ていたということは、知る人ぞ知るスポットなのだろう。僕たちはたまたま通りかかっただけ。しかも、この季節でなければ出会えなかった幸運に感謝して、さらに山頂を目指した。
(16.4.19)








里山の春(石砂山)

ギフチョウを求めての山行とはいいながら、山に入ればカメラの被写体には事欠かない。なにより自分にとって、きつい山登りで一休みできるいい口実になる。
早春の花といえばスミレ(菫)・シュンラン(春蘭)が思い浮かぶ。
まずは上の写真、スミレから。左上から時計回りに、オカスミレ(丘菫)・その白色種・コスミレ(小菫)・エイザンスミレ(叡山菫)。
※前2種については少し自信がない。誤りがあれば、ご指摘いただけるとありがたい。
下の写真、左上からミツバツツジ(三つ葉躑躅)・センボンヤリ(千本槍)・シュンラン(春蘭)・カンアオイ(寒葵)。
ギフチョウの幼虫はカンアオイの葉を食べて大きくなる。いわゆるギフチョウの食草。葉の左下に見えろ小さなベルのようなものは、カンアオイの花。
(16.4.6)






谷間の春(小下沢)

小仏より一つ手前の大下(おおしも)でバスを降りる。バス停の近くで、カメラを地面に近づけてなにやら撮影している女性がいる。問うと、カテンソウ(花点草 写真上・左上)だという。「名前も姿も初めて知りました」と正直に述べると、「阪神が負け続けていたときに、<勝てんそう>で盛り上がったそうですよ」とおっしゃる。
小下沢梅林の脇を抜け、杉林の小下沢林道に入る。くだんの女性がまたカメラを構えている。近づいて「今度は何ですか」と言うと、「これは知っているでしょ」とおっしゃる。見たことはあるような気もするが、名前は覚えいてない。また正直に答えると、ユリワサビ(百合山葵 写真上・右上)とのこと。先の花も含め、メモしておく。家に帰れば、きっと忘れてしまうからだ。
林道を行く我々の頭上には、この山域では珍しくないツバキ(椿 写真下・左上)が顔をのぞかせている。
このあと、ヤマルリソウ(山瑠璃草 写真上・右下)やアオイスミレ(葵菫 写真上・左下)やフサザクラ(房桜 写真下・右上)といろいろ教えていただいた。フサザクラはバラ科でないことも(フサザクラ科に属す)。くだんの女性は、山野草のハンドブックを手にされていた。それもかなり使い込んだものを。日頃の努力があってのたまものと感心すると同時に、改めて感謝したい。
小下沢の枝沢に入ってから、やっとハナネコノメソウ(花猫の目草 写真下・右下)を見つけた。一つ見つけると次から次に発見できた。でも、今年は花数が少ないのだろうか、前回に見たときよりもまばらなように思えた。
下山時には、ダンコウバイ(檀香梅 写真下・左下)があちこちにあった。アブラチャン(油瀝青)かとも思ったが、花柄がないように思えてこちらをとった。ダンコウバイにしろアブラチャンにしろ、山の斜面に黄色い霞がかかったように見えるその姿は、春の到来を感じさせてくれる花である。
(16.4.17)




春!

先の山歩きは雪道だった。それから1が月以上経った。里山(八重山)ではすでに春が始まっていた。
シュンラン(春蘭 写真左上)は芽吹いてはいないものの、葉をかき分けると、根元に花芽が小さく頭をのぞかせている。
オドシチョウやテングチョウ(写真左上)も舞っていた。
なんとスミレ(写真右下 タチツボスミレか?)や、(植樹したものであろうが、)早咲きの桜(写真左下)も見られた。
花が咲き出せば、写真撮影にこと寄せて、超スローペースの名分も立つであろう。
(16.3.4)



コウヤボウキ(高野箒)

コウヤボウキは冬にこそ輝く。
秋に開く君の花柄は、お世辞にも美しいとは言えない。
ちぢくれた花弁や、装いを凝らしたふうもない白の衣をまとったその姿はとても地味だ。
「ほうき」にちなむその名前からは、薄汚れた気配さえ感じさせられてしまう。
ああ、なんという不幸!
秋ですらそうなのだから、花の咲き揃う春であれば目立たないことこの上ないだろう。

だが、雪のちらつく冬、 それまで我が世の春を謳歌していたような花達が萎れ、立ち枯れ、土に還ったその時、君の姿は羽毛をまとった種となって一気に照り輝く。
踊っているようなその姿は、それまで君を見下し、ないものとして扱ってきた花々を見返しているみたいだ。
コウヤボウキは冬にこそ輝く。

※写真左上から時計回りに、群生・種・花弁・種。
(16.1.28)


これ以前のデータは山の花 バックナンバー10に保存してあります。

 

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