これ以降のデータは「山の花 バックナンバー11」に掲載しています。 |
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冬到来 例年より暖かいとはいうものの、冬は着実にやってくる。 ノイバラ(野茨)の葉はすべて落ち、実もしぼみかけている。夏にはお花畑であった草原に、枯れたわが身を晒している。それを見守っているかのような遠くの木立も、ひとり孤独に立ち尽くす(写真上)。 地面には、雪の名残を留めたスギゴケ(杉苔)が胞子嚢を高々と掲げている(写真下)。到来する冬から生き延びようとしているかのように。 (15.12.6) |
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苔と紅葉 どちらも「花」ではないが、この季節、思わず目を奪われたのでシャッターを切った。 上は苔の仲間(正確には地衣類に属する)のサルオガセ(猿麻薯)の赤ちゃん。大阿原湿原で出会った。 針葉樹の大木の枝に垂れ下っているのはよく見るが、ここではズミ(?)の枝に張り付いていた。どこかから風に乗って運ばれてきた胞子が取りついたのかもしれない。強い風が吹けばとばされてしまいそうなほどか弱く見える。こんなところでも、垂れ下るほど大きく成長できるのだろうか。 下は富士見の集落に下りてから見かけた里山。八ヶ岳をバックに紅葉が見事に映えていた。まるで盛り花のようだ。花ではないが、これも花の仲間に加えたい。 周りは収穫を終えた畑なのだろうか。夏には高原野菜がたくさん収穫されるのだろう。 むかし、この辺りでとれたてのトマトをかじったことがある。強い甘酸っぱさが舌に残った。 (15.11.6) |
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懐かしき秋の山野草 今回も花の存在に癒され、苦しさを紛らわさせてもらった。 左上から時計回りにノハラアザミ(野原薊)・シロヨメナ(白嫁菜)・ヤマトリカブト(山鳥兜)・サラシナショウマ(晒菜升麻) (15.10.7) |
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懐かしき花々 何年ぶりだろうか、2000m級の山に登ったのは。そこで出会った花々も、旧友に再会した趣だった。 ゴゼンタチバナ(御前橘 写真上)は山を始めたころに名前を覚えた植物だ。樹林帯に数多く咲いていた。 ヒメシャジン(姫沙参)は似たような種類が多い。この写真も間違っているかもしれない。岩場に寄り添うように花開いていた。はじめはイワギキョウともミヤマシャジンともソバナかとも思った。 この花たちに再会できただけでも良しとしよう。 (15.7.31) |
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緑とピンク コケ(苔)とブナやカエデの緑の道を通り、黒川山・鶏冠山に向かう。 コケの中で唯一名前がわかっていたのがスギゴケ(杉苔 写真上)。他(写真中)は調べたがわからなかった。 山頂付近では、イワカガミ(岩鏡)やシャクナゲ(石楠花)のピンクの花が出迎えてくれた。 (15.5.22) |
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ヤマザクラ(山桜)とスミレ(菫) 直前まで悩んでいた。 もう登るのは無理ではないか。行っても苦しいだけではないか。 しかし、行くのをあきらめた朝、山頂のヤマザクラが満開であることを伝える23日付けのHPを見てしまった。気が付くと車を走らせていた。 車で走っているときは、山を飛び回っていたころの自分に、気分は戻っている。 林道で行けるところまで行く。できるだけ標高差を稼ぐのだ。 歩き出せば現実の自分に引き戻される。 ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせながら山道をたどる。まるでエベレスト登山だ。 信じられないくらいの時間をかけて山頂に着く。 おお、今年も会えたね。 何も言わない満開のヤマザクラがそこにある(写真上)。 この日のねらいはもうひとつあった。 マキノスミレを見てみたい。もしかしたら会えるのではないか……。 ひそかな野望を抱いていた。 ゆっくり歩くので、足元にはいやでも目がいく。 おかげで、見落としてしまうような小さなスミレにもレンズを向けることができた。 しかしながら、憧れの君にはついに会うことができなかった。所詮ふたまたはダメだということか。 下の写真は、今日会えた乙女たち。 左上から時計回りにフモトスミレ、ナガバノスミレサイシン、アケボノスミレ、エイザンスミレ。 ※名前についてはちょっと自信がありません。間違いがありましたらご指摘ください。 (15.4.24) |
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シュンラン(春蘭)・センボンヤリ(千本槍) 早春の山の花と言えばシュンラン(写真上)。 しかし、下の花は目にしたことはあったかもしれないが、それとして名前を認識したことは無い。石砂山の山頂で見かけた。 「センボンヤリ」、たまたま近くいた方に教えていたただいた。 ギフチョウも初めてなら、センボンヤリの名も初めて知った。 (15.3.30) |
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カタクリ(片栗) 東京都の西方、瑞穂町に「さやま花多来里の郷」というカタクリの群生地がある。残堀川の水源、狭山池にほど近い狭山丘陵の一画である。 ほとんど平坦な地形なので、ここならぼくにも楽に歩ける。山友のお仲間のお誘いで、ご一緒させていただいた。 ぼくらの親の代では狭山丘陵には珍しくはない花だったカタクリだが、今では宅地化の影響もあってほとんど見られなくなった。そんな環境下で、保護されているとはいえ、これほどの群生地を見ることはまれだ。 寒の戻りもとけたこの日、のんびりとカタクリの花見を楽しんだ。 平日とはいえ、思いのほかおおぜいの人たちがカメラを構えていた。 (15.3.27) |
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セツブンソウ(節分草) 山に登れなくなった身にとって「山のページ」の存在はつらい。 いっそ閉じてしまえばいいのかもしれないが、また再開できるかもしれないという未練と、これまでの事をゼロにしきれない怯懦から、なかなか踏み切れずにいる。 栃木市に「四季の森星野」という節分草の群生地がある。森といっても畑(田圃?)に接する森のきわなので、ほとんど平らだ。山登りするような所ではないゆえに、今の自分にとっては絶好の観察地だ。 ゆっくり歩いても30分もかからない地域にはセツブンソウやアズマイチゲ(東一華)の白い花がそこここに見られる。セツブンソウはやや盛りを過ぎていたが、日影になった場所では葉も花びらもまだしっかりとしていた。 ところどころに黄色いフクジュソウ(福寿草)が見られるのも、早春の田舎の風景にふさわしい。紅梅やロウバイ(蝋梅)・マンサク(万作)の赤や黄色の花が背丈を超す空間を彩る。 自分の体を思いのまま動かせない不自由さから解き放たれたような錯覚をひと時味わっていた。 (15.3.12) |
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ロウバイ(蝋梅) 旧来の山友達と宝登山に来る。 「登る」とは言えない。行きも下りもロープウエー。今の自分にはちょうどいい。 前日までの雨をもたらした低気圧が東の海上に去り、長瀞に着くころには青空も広がってきた。風もほとんどなく、気温も例年に比べれば高い。 雪山には青空が似合うが、ロウバイの黄色を映えさせてくれるのも青空だ。青を背景としたロウバイの花は、陽の光を浴びてより輝きを増す。 青空や、風が少なく気温も高めだった好条件は、午前中だけだったようだ。午後になると風も雲も増えてきた。 写真はロウバイ園での光景。写真上、背景の山は両神山。 (15.1.23) |
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これ以前のデータは「山の花 バックナンバー9」に保存してあります。 |